|
ここでは、ショーブリードの魅力をお話するため、あえてファーム・フェレット(*)たちとの対比をすることがたびたびありますが、ファーム・フェレットを否定するためではありませんので、ご了承下さいますようお願いいたします。
(*)ファームフェレットとは、季節に関係なく年間を通して数多くのフェレットを繁殖している繁殖場から来たフェレットたちのことを言います。アメリカからは、パスバレー、マーシャル、マウンテンビュー、ルビーファー、カナダからは、カナディアン、ニュージーランドからは、ミスティックなどが有名なファーム名です。
丈夫な骨格
ショーブリードの大きな魅力は、外見的にがっしりしているということです。
ショーブリードの骨は、太く丈夫です。仮にファーム・フェレットたちと、同じ大きさの骨があったとしても骨の重さ(密度)が違います。比較すれば、ファームフェレットの骨はやわらかくて軽い、ショー・ブリードの骨は、密度が高く、ずっしり、重く硬いといってもいいでしょう。
ショーブリードの頭、あばら周り、足のあたりを触っていただくと良くわかると思います。オスであれば、厚みのある丸い頭、大きなあばら骨、太い足。メスは、オスとは異なる骨格です。メスらしい小ぶりでしなやかな骨格です。丈夫なベビーを出産し、守り育てるための骨格です。骨盤もしっかりしています。良い母親フェレットとしての条件は、敏しょう性、注意力にも優れていなくてはなりません。
しっかりした筋肉
ショー・ブリードは、オスでは、2500gを越す子も出ます。1歳まではベビーファットもありますが、首、背中、腰にしっかりした筋肉が発達します。オスは、発情シーズンで食欲がなくなってやせることもありますが、5歳を過ぎても隆々とした筋肉が残っている子も多くいます。インターフェレットのレイトアルター(*)は、オスが発情のために食欲が落ちる心配も無いので、たくましいボディーが維持できます。
ファーム・フェレットも筋肉はあります。生後1年までは若い筋肉とベビーファット(赤ちゃん太り)の両方でファームフェレット出身でも比較的大きくみえる個体のオスもいますが、脂肪がかなり多いようです。そんな子たちも1歳、2歳を過ぎたころからきゃしゃなボディーになる子が多く、筋肉があまりなかったことがわかります。
※(レイトアルター/Late Alter)
成長後の遅い時期に去勢、不妊手術をしたフェレットのことです。JFAのフェレットショーでは、生後3ヶ月以降の去勢、不妊手術をしたフェレットをレイトアルター部門の出場資格としています。ちなみに、1ヶ月前後の早期手術を、アーリーアルター/Early
Alterといいます。
血統管理、成長後の手術による健康管理
ショーブリードの目に見えない魅力のひとつは、その健康管理です。
ファーム・フェレットの問題点のひとつとして、遺伝的な問題を管理する為の血統管理が出来ないことです。大量繁殖のため、親、祖父母のわかるファーム・フェレットはいません。何か病気が起こっても、原因が、近親交配か、遺伝的なものなのかどうかは、追跡することは不可能と思われます(歯の噛み合わせがずれているのは近親交配に多い)。
また、ファームによっては、コスト削減の為に、繁殖に使用しなくなったフェレットを処分してしまう為、高齢時に起こりえたであろう病気を知るすべがなく、遺伝的な管理が出来ません。
ファーム・フェレットにおこる若年での突然死、早期ガンなどの病気は、遺伝的に排除できたかもしれません。
もうひとつの問題点は、生後1ヶ月前後に去勢、不妊、臭腺除去の手術が行われてしまうことにあります。
多くの獣医、研究者たちが早期手術に疑問を抱き、成長に大きな影響が現れていると指摘しています。体も本来の姿に成長できず、ホルモン異常の病気である副腎疾患は、繁殖器官の早期手術に帰する代表的な病気であるといえます。
ショーブリードが、血統管理により、4世代以上はなす交配、成長の妨げにならない生後6ヶ月以降に手術をすることで、健康で優秀な固体の繁殖が可能になります。また、重大な病気の報告や、死亡した場合の年齢や、病名のご報告を飼い主さんにお願いし、遺伝的に病気を排除します。
ファーム・フェレットの平均寿命は、5歳から7歳とすると、ショーブリードたちは、8歳から10歳と言えます。10歳で腫瘍などの病気は何も無くて、ただ老衰で亡くなるという固体も少なくはありません。
自然に近い本来の姿
健康でなく、繁殖能力も弱ければ、その血統が自然淘汰されていくのが野生の掟です。人工化したファームフェレットより、野生に近いショーブリードたちは、オスは、オスらしく繁殖力が強く大きな健康体、メスは、メスらしく敏しょう性の良い小ぶりでたくましい母となれる健康体というのが特徴としてまとめることができます。
繁殖について
ただ今のところ個人の方の繁殖についてはおすすめしておりません。コンパニオン・アニマルのフェレットたちが、繁殖できないことを哀れだと思わないで下さい。野生種ではないこのフェレットたちは、人間と一緒に暮らすことしかできません。手術しないままのフェレットは、発情というある種の体へのストレスや危険の中で人間と生活しなくてはなりません。オスの発情行動は、マーキング、他のフェレットへの攻撃、激やせなどあり、決して飼い主さんが飼い易い状態ではありません。メスの発情期はナーバスになったり、エストロゲンの過剰分泌からの貧血、体調不調もあり、発情のまま放置しておいて死亡した例も聞いています。また。手術をしてないメスに多い子宮蓄膿症という怖い感染症は3日で死亡してしまうこともあります。去勢、不妊手術をしないままでいることは、フェレットの体を傷つけてしまうことになるのです。安易な繁殖も同様にフェレットの体を弱らせ傷つけてしまいます。フェレットを大切に飼いたいのであれば、生後6ヶ月から1歳までの間の去勢、不妊手術を行なって下さい。
|